2018年11月:医療法人社団博愛会ドクターブログ

 

医療法人社団博愛会ドクターブログ

札幌市豊平区の歯医者、アイビー歯科クリニックと平岸駅前こまち歯科のドクターによるブログです

フッ素で虫歯予防

こんにちは。歯科医師の西尾です。
今日は虫歯予防に最も効果があるとされている「フッ素」についてです。

 

☆「フッ素」とは?

「フッ素」とは以下の図のように自然界に広く存在する自然のミネラルです。
「フッ素」は特別なものではなく、私たちの身の回りのどこにでもある普通の物質であり、健康な歯や骨のために必要な栄養(ミネラル)の1つなのです。

 

 

☆「フッ素」はう蝕予防になぜ効果があるの?

・酸の産生を抑制
歯磨きで落としきれなかった歯垢(プラーク)が作る虫歯の原因菌の働きを弱め、歯垢(プラーク)が作る酸の量を抑えます。
・再石灰化の促進
歯から溶け出したカルシウムやリンの再石灰化を促進させます。
・歯質強化
歯の表面を酸に溶けにくい性質に修復します。
特に乳歯や生えたての歯は軟らかいので、歯質強化に努めましょう。

 

 

☆「フッ素」による予防効果

「フッ化物洗口」という方法を行った佐賀県では以下のような結果が出てます。

 

また、最近法律が改正され、市販の歯磨き粉に含有できるフッ素濃度が変更されました。今までは1000ppmが限度だったですが、1500ppmまで引き上げられました。システマティックレビューによれば1500ppmのう蝕予防効果は1000ppmの場合より約10%高い予防効果があるとされています。

 

☆いつまで「フッ素」を使えばいいの?

ずばり、一生です!!
生え始めの歯に「フッ素」は有効と書きましたが、歯茎が下がることで起こる「根面う蝕」にも有効とされています。「根面う蝕」はゆっくりと進行するため痛みを感じにくく、気付いた時にはかなり虫歯が拡がってしまってることもあります。

 

 

以上、簡単ではありますが、「フッ素」について書きました。
当院でも様々フッ素配合の口腔ケアグッズを準備しています。様々な種類がありますので、気になった方は是非、スタッフまでお声掛け下さい。患者さんに合ったグッズを提案させていただきます。
最後に、、、
小学低学年くらいまで定期的に「フッ素」を塗り続けていたお子さんが、成長するにつれ、色々と忙しくなり来院が途絶える事がよくあります。そして、中学校や高校での歯科検診で虫歯が見つかり、久しぶりに来院されるお子さんが少なくないです。是非、小学高学年、中学生、高校生になっても「フッ素」を使った定期的なメンテナンスを続けていきましょう!!