2020年6月:医療法人社団博愛会ドクターブログ

 

医療法人社団博愛会ドクターブログ

札幌市豊平区の歯医者、アイビー歯科クリニックと平岸駅前こまち歯科のドクターによるブログです

滅菌器について

こんにちは。
歯科医師の西尾です。
新型コロナウイルスの影響で落ち着かない日々が続いています。
当院では、日々変化する状況にフレキシブルに対応し、安心して来院していただけるように努めております。最新の情報については、当院HPをご確認下さい。

 

〜今回のテーマ〜 滅菌器について
歯科診療を行う上で絶対に必要な機器の一つが滅菌器です。
この記事を読んでいただいて、少しでも安心して歯科診療を受けていただけれればと思っています。

 

①「滅菌」とは?
②滅菌器のランク分け
③クラスB滅菌器の普及率
④当院での滅菌器の使い分け

 

①「滅菌」とは?
昨今、「滅菌」「殺菌」「消毒」「除菌」などの単語を目にすることが多いと思います。簡単にそれぞれの単語の意味について説明します。
・滅菌:すべての細菌を死滅させること
・殺菌:特定の細菌を殺すこと
・消毒:病原性のある微生物を害のない程度にすること
・除菌:微生物を減らすこと
※「消毒」と「除菌」は同じような意味合いを持っていますが、薬事法の兼ね合いで表記が分かれています
☆まとめ☆
「滅菌」が最強の方法!!

 

②滅菌器のランク分け
一言に「滅菌器」と言っても数種類あり、クラス分けがされています。
レベルの高い順に、
「クラスB>クラスS>クラスN」
となっています。
最高クラスに位置する、クラスBについて簡単に説明致します。
クラスB滅菌器とは、世界で最も厳しいとされるヨーロッパ基準EN13060に準じた滅菌器のことを表します。

 

 

「クラスB」と「クラスN」を簡単に説明します。
・クラスB:機器内部を真空状態に出来る装置が備わっており、それを利用して様々な道具の内部まで高温蒸気を送り込むことができる
・クラスN:高温蒸気を発生させ、庫内に充満させる。真空状態に出来ないので、道具の内部まで高温蒸気を送り込むことができない。
☆まとめ☆
滅菌する道具によって正しく使い分けることが重要!

 

③クラスB滅菌器の普及率

 

上記グラフを見て分かるように、日本での普及率はなんと2~4%と言われています。クラスB滅菌器を義務付けている国がある中で、日本ではまだまだ普及していないのが現実です。機器自体が高額、ランニングコストが高い、メンテナンス費用が高いなどが普及しない理由となっています。
当院では開業時から「クラスB」を導入しており、安心を担保するための必要なコストと考え、日々使用しております。
☆まとめ☆
日本ではクラスBがまだまだ普及していない!

 

④当院での滅菌器の使い分け
当院では「クラスB」と「クラスN」の2台体制で滅菌を行っています。
滅菌パック(診療台の横でいつも破いているもの)に入れているもの、歯を削る道具などは、もちろん「クラスB」で滅菌を行っています。
滅菌パックではなく、金属製の専用ケースに入れるガーゼや綿などは「クラスN」で滅菌を行っています。
☆まとめ☆
2台の滅菌器をフル活用!

 

以上、簡単ではありますが滅菌器について紹介しました。
「滅菌」は歯科診療においては裏方的な存在かもしれませんが、この記事を通じて少しでも興味を持っていただき、そして、安心して歯科診療を受けていただきたいと思っています。