札幌市豊平区の歯医者、医療法人社団博愛会のドクターによるブログです

子どものむし歯

こんにちは。小児歯科を担当しています、歯科医師の那須結菜です。

近年、子どものむし歯は「二極化」が進んでいると言われています。定期的に歯科を受診し、むし歯がまったくない状態を維持している子どもがいる一方で、多数のむし歯を抱える子どもも少なくありません。
 むし歯は単に歯の問題にとどまらず、子どもの口腔機能の発達にも関わってきます。特に成長期の子どもにとって、食事を通じた「噛む」動作は、あごの発育や舌・口唇の協調運動、さらには発音機能の獲得にも重要です。しかし、むし歯による痛みや不快感があると、十分に噛めなくなり、結果として咀嚼機能やその他の口腔機能の発達が妨げられる可能性もあります。
 むし歯を予防するためには、まず甘味の摂取を適切にコントロールすることが大切です。砂糖を含むお菓子や飲み物を頻繁にとる習慣があると、酸に強いむし歯菌が増えやすくなり、むし歯になりやすいお口の環境がつくられてしまう可能性が高いです。間食の回数や時間帯もむし歯リスクに関係してくるため、内容だけでなく摂り方にも注意が必要です。
 さらに、フッ化物の適切な使用もむし歯予防に非常に有効です。フッ化物には歯の再石灰化を促す働きがあり、初期のむし歯を修復する力があります。フッ化物配合の歯みがき粉を1日2回使い、うがいを少なめにしてフッ素をお口に残すことは、おうちでできる大切なむし歯予防のひとつです。

子どもたちが将来にわたって健康な歯と口を保てるようにするためには、むし歯の予防と同時に、「しっかり噛んで食べられる口」を育てる視点も欠かせません。日々の生活の中で、小さな積み重ねが大きな成果につながります。お子さまの健やかな成長のために、日々のケアを見直すきっかけになれば幸いです。