狭心症と心筋梗塞の既往のある方の歯科治療について

 

医療法人社団博愛会ドクターブログ

札幌市豊平区の歯医者、医療法人社団博愛会のドクターによるブログです

狭心症と心筋梗塞の既往のある方の歯科治療について

こんにちは。理事長の今井です。
今回は狭心症と心筋梗塞の既往のある患者様の歯科治療についてお話ししたいと思います

当院は北海道大学病院から口腔外科専門医・指導医のO先生にきて頂き、狭心症と心筋梗
塞の既往のある患者様の口腔外科治療も可能です。ご相談ください。
安心かつ安全にいろいろな口腔外科治療をしております。ご安心ください
!!
(1)精神的ストレスの軽減
①患者に対する心理的アプローチ
ラポールの形成が重要。
スタッフは患者に対して、優しく、丁寧に対応するのが良い。
スタッフの言葉や態度、患者個々人のレベルに合わせたわかりやすい説明、過去の深いな
治療経験から来る偏見に十分に対応する必要。
落ち着いた空間にする、室内BGMをながす、風景画や静物画を置くことも良い。
②薬物による精神鎮静法
鎮痛薬の投与により、精神的ストレスが緩和されるので、内因性カテコラミンの分泌が抑
制されて心臓の仕事量の増加が防げるようになる。
a.鎮静薬の経口投与:BZ系抗不安薬を治療前日の就寝前と、治療の1時間前に服用。
b. 笑気吸入鎮静法
c. 静脈内鎮静法
鎮静薬を静脈内に注入することにより鎮静効果を得る方法です。ただし、呼吸抑制・意識
消失・気道閉塞が起こりやすい欠点。特に、高齢者に対して適用する場合には全身管理に
関する専門的知識が必要不可欠。
(2)確実な局所麻酔効果
治療中の痛みは、胸痛発作のリスクファクター。
注射刺入時の疼痛に関しては表面麻酔の施行や、細い針の使用によって軽減できる。
注射中にはゆっくり注入することにより痛みの軽減が可能。
適切な部位に、十分量を投与すれば確実な麻酔効果が得られる。
ただし、局所麻酔にはアドレナリンを含有する者があり、投与量が多いと、心拍数や血圧
上昇などをきたし、心筋酸素消費量が増大して、心筋梗塞の発症の可能性をあげることに
なる。
(3)胸痛発作時の救急処置
直ちに歯科治療を中止する。
①デンタルチェアーの背板を挙上させて座位・半座位にする
②酸素吸入(5L/分)を行い、
③内科主治医から処方されている発作止めの硝酸薬などを服用させる
通常量を、通常通りに使用しても回復しない場合は重篤な狭心症発作が発生したか、
急性冠症候群の可能性がある
④ニトログリセリンスプレーは噴霧後1〜2分後にすれば治まる。
⑤内科主治医に連絡し、病院へと搬送する6)実際の歯科治療の方法
(4)実際の歯科治療の方法
当日は処方されている内服薬を通常通り内服させる
緊急薬のニトログリセリンスプレーなどを持参していることを確認する
自動血圧計を使用して血圧・脈拍・SpO₂・心電図をモニタリングを開始する
精神鎮静法などにより精神的ストレスを軽減させる
局所麻酔薬の種類と投与量を考慮する

麻酔時の苦痛の軽減に努める
モニタリングにより治療の継続・中止を判断しながら治療を行います。