医療法人社団博愛会ドクターブログ

 

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札幌市豊平区の歯医者、アイビー歯科クリニックと平岸駅前こまち歯科のドクターによるブログです

CPCでウイルス予防を!

こんにちは。平岸駅前こまち歯科院長の西尾です。
今日は、CPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)が新型コロナウイルスに対する抑制効果が認められたことについてです。第5類に移行しましたが、まだまだ油断を許さない状況です。

・CPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)とは?
歯磨剤だけでなく、洗口液などにも広く使用される安全な薬品で、口腔内の浮遊性細菌に対して強力な殺菌作用をもっています。

・今回発表された内容は?
高濃度のCPCで抗ウイルス効果は知られていましたが、市販の洗口液に含まれる濃度のCPCでも新型コロナウイルスに対して、抗ウイルス効果を示すことが発表されました。

当法人ではハビットプロという洗口液を採用しています。
歯科医院でしか購入できない洗口液です。歯周病予防はもちろん、新型コロナウイルスなどのウイルス性感染症予防にも有効です。また、歯周病になることで歯肉の免疫機能が低下し、感染症に罹りやすくなります。歯周病に罹っている方は、罹ってない方よりインフルエンザなどの感染症になりやすいという研究結果が発表されています。歯科医院での口腔ケアを定期的に行い、感染症対策をしてきましょう!最後になりますが、今回のCPCについて発表したのは私の母校である北海道大学歯学部の研究チームです。発表者の中には、同級生や先輩、恩師などの名前がありとても嬉しく
なりました。

おくすり手帳お持ちですか?

こんにちは。アイビー歯科クリニック院長の船戸です。
皆さん「歯医者さん」でこのセリフ、一度は聞いたことあるのではないでしょうか?
「内科とかならわかるけど歯科で薬確認する必要あるの?」
と思う方もいるかもしれませんが、実はこれかなり大事な質問となっております。
また、どこの歯医者さんに行っても必ず初診時に問診票を記入するかと思いますが、
「全身のご病気について教えてください」
「飲んでいるお薬について教えてください」
という項目がほぼ間違いなくあるのではないでしょうか。
今回はその重要性についてと、どのように診療に活かしていくかについて解説します。

1. 聴取の重要性
全身疾患の中には創傷治癒遅延(傷が治りにくくなること)を引き起こすものがあったり、服用薬の中には免疫抑制作用を持つものがあったりなど、主に抜歯などの外科治療時に関わってくるものがあります。
高血圧症→止血困難になるリスクが上がる他、歯科治療自体がストレスになり血圧を上げてしまうことも。

糖尿病→創傷治癒遅延を引き起こす他、歯周病の進行・悪化を早める
心室中隔欠損症など一部の心臓病→感染性心内膜炎という生死に関わる感染症を引き起こす可能性があるため、出血を伴う治療の際は事前に抗菌薬を服用する必要がある。

抗凝固薬→止血困難になるリスクが上がる
ステロイド→易感染性(細菌やウイルスに感染しやすいこと)になる他、免疫抑制作用もある
抗うつ薬や睡眠薬→服用しているものによっては麻酔薬剤に制限が出ることも
骨粗鬆症治療薬→抜歯後に骨壊死を引き起こすものもある
骨粗鬆症治療薬の詳細については過去の記事もご覧ください。(下記のリンクより)

これらはあくまで一例で、他にも僕ら歯科医師が留意しなければいけないものは沢山あります。
また、服用薬を調べることによって全身疾患を把握することにも繋がります。

2. その後の対応
全身疾患や服用薬を確認したら必要に応じて、
・全身疾患の状態、休薬の必要性の有無、直近の検査結果などを教えてもらうためにかかりつけの内科の先生と連絡を取り合う
・(高血圧等の場合)治療前に血圧を測定したり、リアルタイムで血圧や脈拍を測定しながら治療する
・院内での治療が困難であると判断した場合、大きい病院の歯科口腔外科に紹介する
このような対応をしていきます。
患者さんに安心して治療を受けてもらうために、安全な治療を提供するためにどれもこれも必要なこと
となっております。
歯医者さんを受診する時は、必ずおくすり手帳を持って行きましょう!

 

 

MRONJについて

咬合紙のお話

こんにちは、歯科医師の鈴木です。
今回は歯科医院で用いるかみ合わせの調整器具についてのお話をさせていただきたいと思います。
歯医者さんで治療を受けたことのある方なら、一度は経験したであろうカチカチかむ薄い紙。
「咬合紙」と呼ばれるもので、厚さは30〜80μm(0.03〜0.08mm)ほどです。  

かみ合わせの高い、低いと感じる歯の感覚は髪の毛一本分でも認識できるほど敏感です
そのため精密な調整が必要になります。

カチカチ、ギリギリとその紙をかむと、上下の歯が当たっているところに色がつくので、それを目安に調整します。

削り過ぎると元には戻せないので、少しずつ微調整を繰り返します。
そういったかみ合わせの調整の場面で欠かせない器具なのです。

もしも治療中に気になる事や道具があれば聞いてみてください。
今何をされているのか?という事が分かれば、治療を受ける際の不安も減るかもしれません。

みなさん、こんにちは、理事長の今井です。

今日はちょっと真面目な内容を投稿します。

ちよっと前ですが8月25〜27日に広島に行って、第39回全国歯科大学同窓会・校友会学術担当者連絡会という行事に参加してきました。これは、全国に29校ある歯科大学の学術担当者が一同に集まり、学術的な内容をテーマに情報交換するイベントです。北海道大学歯学部同窓会からは、私を含め2名が参加いたしました。

学術というのは、一定の理論に基づいて体系化された知識や方法などに関しての総称のことです。私達のような各大学同窓会の学術の担当者は、歯科医師が大学を卒業した後も、最新の技術や知識を習得する場を提供するために、講演会やハンズオンセミナー(実習主体のセミナー)といった卒後研修を企画します。
そういったセミナーを開催するにあたって、どのような講師やセミナーの内容が良いのか、最近のトレンドや、セミナーの運営方法についてなども日本全国の先生方と情報交換するのがこの会の最も重要な目的となっています。
歯科医師は、大学を卒業してからも生涯にわたって学習していかなくてはなりません。そのため、メーカー主催の様々セミナーが開催されていますが、大学の同窓会が主催するセミナーは企業の価値観に左右されず、中立的な目線で開催できるというメリットがあります。
今回は、広島大学、岡山大学、徳島大学同窓会が合同で主管校となり会が取り行われました次
回以降は以下の順番で開催される予定です、担当である私も出席していく予定です。

第 40 回学術連絡会主管校 大阪大学・大阪歯科大学
第 41 回学術連絡会主管校 松本歯科大学
第 42 回学術連絡会主管校 神奈川歯科大学
第 43 回学術連絡会主管校 奥羽大学

会議は約5時間くらいでした、学術に関して白熱した議論もありました。その後場所を移動して、懇親会も行われました。コロナの影響で2年ほどオンラインで開催されていたのですが、数年ぶりのリアルでの開催で約60名の全国の学術担当の先生が参加され活発な意見交換が行われました。久々に会った方の元気な顔を見ることができて、私も大変嬉しかったです。
今回の会議の内容を参考にして、北海道大学歯学部の学術発展のために微力ながら貢献してい
きたいと改めて思いました。

 

精密歯科の世界にようこそ

こんにちは、歯科医師の西潟です。
歯科治療は非常に細かくて、繊細な作業の積み重ねです。
そんな歯科治療の世界へご招待します。

 

1 ルーペ
歯科治療専用の拡大鏡のことです。歯や被せ物の一部、1mmあるとないとでは大きなミ
スへつながることもあります。これは精密な歯科治療の質を担保する器具の一つになりま
す。視野が狭くなってしまう、というデメリットがあるので、全ての症例に使用する訳で
はありませんが、日常的に愛用しています。以下の写真を参照ください、左が肉眼、右が
ルーペで同じ距離から見たときのイメージです。

2 電動麻酔
歯を削らなければならないときや抜かなければならないときに麻酔を頻用します。手加
減で麻酔を調整する方法が主流ですが、麻酔をきかせづらい部位や麻酔する際に強い圧が
必要な場合に電動の麻酔が非常に有効です。機械的に一定の圧でコントロールされるので
、麻酔をするときの「イタッ」という痛みも軽減することができます。

3 CT
主に口腔外科の領域で使用することが多いです。例えば、親知らずの位置関係の確認
や、炎症のサイズ、進行している方向等を確認します。さらに、いわゆる蓄膿症と呼
ばれる上顎洞炎(鼻のすぐ横に存在する空洞のこと)の有無も確認できる場合があります